市役所、自宅を家宅捜索/県警が関係書類押収
島外からも報道陣多数/前市長逮捕
県警捜査2課は13日、収賄容疑で逮捕した前宮古島市長の下地敏彦容疑者の自宅と市役所を家宅捜索し、関係書類を押収した。平良東仲宗根にある自宅周辺は島外からも報道陣が集まり、注目度の高さをうかがわせた。市役所の捜索は市職員の業務終了後に行われたため、大きな混乱はなかった。(8,9面に関連)
捜索は下地容疑者の自宅から行われた。正午ごろ、捜査員十数人が自宅内に入り、証拠に関する関係書類を捜索した。
立会人は下地容疑者の家族が務め、報道陣に撮影されないようブルーシートで隠して建物に出入りさせた。
自宅の捜索に約2時間半、自宅隣の離れ部屋も約1時間かけて調べた後、関係書類を入れた段ボールを捜査車両に詰め込んだ。
同課はさらに業務終了後の午後5時30分ごろ、市役所の家宅捜索に着手。捜査員が段ボールなどを持って庁舎内に入った。
前市長の逮捕を受け、座喜味一幸市長は「今後、警察から捜査協力依頼があれば全面的に協力する」と市ホームページ上でコメントを発表した。
下地容疑者の逮捕容疑は、陸上自衛隊宮古島駐屯地が建設された市上野の千代田カントリークラブ(CC)について、駐屯地用地として国への売却が可能になるなど有利かつ便宜な取り計らい、その謝礼として現金約650万円を受け取った疑い。
捜査2課は、贈賄側として千代田CCの元社長、下地藤康容疑者(64)を逮捕している。贈賄の動機については、今後の捜査で明らかにするとしている。
下地敏彦容疑者は、県宮古支庁長などを務め、2009年に宮古島市長に初当選。今年1月の市長選挙で4期目を目指して立候補するも落選している。