アオドウガネが急増/キビ害虫
捕獲数、3年前の6倍弱
サトウキビの生育を阻害するアオドウガネの成虫が急増している。関係機関の調査報告によると、2020年に誘殺灯で捕獲した成虫は1012万9260匹と、ここ10年で初めて1000万匹を超えた。近年の捕獲事業で最も抑え込んだ17年の捕獲数と比べると6倍弱に及ぶ。現状、立ち枯れなどの被害は見られないとしているが、関係機関は危機感を強めている。
アオドウガネ被害は、サトウキビの根が幼虫に食害されて起こる。被害が大きくなると株全体が枯死することもある。このため、関係機関が長年にわたって駆除作業を実施。誘殺灯を使って成虫を捕らえ、地中の幼虫を発生させない取り組みを今も継続している。
この駆除作業で捕獲数は2008年から右肩下がりで推移。同年の845万匹から9年後の17年には173万匹まで減少させた。
だが、18年は増加に転じて294万匹に。誘殺灯の設置が886基まで減少したため、相対的に捕獲数が減ったものとみられる。
翌19年、誘殺灯を1224基に増やすと捕獲数は急増して一気に650万匹を超えた。20年はさらに増えて1000万匹の大台を数えた。急増の要因は特定できておらず、関係機関が情報収集に当たっている。
JAさとうきび対策室によると、今のところ被害はなく、報告も入っていないという。ただ、「急激な伸びをみると、いつ被害が出てもおかしくない状況と思われる」としている。
アオドウガネの調査報告は、18日に開かれた宮古地区さとうきび糖業振興会の運営委員会で示された。