「仕方ない」諦め感漂う/緊急事態 沖縄・宮古追加
「不公平」と改善訴え/対策徹底のきっかけに期待も
新型コロナウイルス感染防止対策として、宮古島市では4月12日から飲食店に対し営業時間短縮の要請がスタート。期限は2度に及ぶ延長を経て5月31日までとなっていたが、期限を迎える前に県が緊急事態宣言の対象区域に追加されることとなり、酒類を提供する店に23日からの休業が要請された。時短営業でコロナの抑え込みができなかった状況での緊急事態宣言に、関係者からは諦めの声や県の対応に不満を示す声、緊急事態宣言が感染防止につながることを期待する声などが聞かれた。
宮古島調理師会の砂川英輝会長は今回の緊急事態宣言について「正直に言って仕方がないというか、またなのかという諦めの感じはある」としながらも「休業することは仕方がないが、時短要請に応じず開けていた店もあり、不公平感がある。感染を防止するためにはそういう店は行政で排除してほしい」と訴える。
店の形態や規模に関係なく協力金が一律であることにも砂川会長は不満を示す。「規模が小さな店では協力金の方が普段の1日の売り上げよりも多い店もある。それはおかしい。もう少し公平なやり方はあるのではないか」と改善が必要との思いを語った。
県食品衛生協会宮古支部の砂川靖夫支部長は「コンビニなどには消毒用アルコールが設置されているが、最近は消毒をしている人が少ないように感じる。いくつかの店舗でも対策が緩んでいるのではないかと感じる」と新型コロナに対する「緩み」に懸念を示す。
その上で「今は初心に帰るべき時。生活の根本から感染防止の取り組みをしないと店舗はもろい。困難な中ではしっかりとした対策が必要で、緊急事態宣言がそのきっかけになってくれるのではないか」と宣言が対策の徹底につながることを期待する。
宮古島社交飲食業組合の奥平玄信組合長は「県は(時短要請に応じず)営業している店舗名をホームページ上で公開すると言っているが、飲食業関係者はみんな知っている。対応が弱いと思う。命令して過料を科すまでもっていってほしい」と県に対し強い対応を要望。「お金の補償が絡むことなので組合からは強いことは言えない。この状況が長引けば、つぶれるくらいなら感染リスクがあっても営業したいと思う店も出てくる恐れがある」と話す。
さらに「宮古、下地島、石垣の空港で近々PCR検査を行うというが、ゴールデンウイーク前にしてほしかった。すべての対応が後手後手になっている」と対応の遅れを指摘した。
ある飲食店の経営者は「酒を出すなら休業と言うが、協力金の支給も遅れている。今回の支給もいつになるか分からない。もっと早く一斉に休業させるべきだった。店を閉めても若い人の中には集団で家飲みする人もいるだろう。6月20日以降の延長もあり得る。希望が見えない」と不安な思いを語った。