宮古島市 キビへのかん水に補助/農家負担は1台2000円
干ばつ対策 きょうから受け付け
市は25日、干ばつ対策会議を招集し、サトウキビを対象とするかん水補助事業の実施要項を決めた。26日に受け付けを開始してかん水作業を始める。かん水量は1農家当たり20㌃(10㌧トラック6台分)。これを1巡目とし、2巡目は降水量を基に判断する。かん水費用はトラック1台当たり4300円で農家負担は2000円。水代を含む2300円は市が負担する。
宮古島地方は、4月から高気圧に覆われて晴れの日が多い。宮古島地方気象台は21日付で少雨に関する情報を発表している。
この状況下、基幹作物サトウキビに影響が出始めている。全体的に生育が鈍化しており、間接的な被害として葉枯れも見られる。伊良部島では葉のロール現象が発生しているという。
こうした生育への影響を最小限に抑えるためにかん水を実施する。かんがい施設未整備地区を優先する。
希望する農家は原料員に申し込む。この際トラック1台2000円の負担金を支払う。ただし、伊良部は伊良部地区トラック組合が申請先となっている。
1巡目の申し込み期間は6月4日まで。降水量にもよるが、2巡目は5日以降の受け付けとなる。
給水場所は、土地改良区管理のⅢ型給水施設11カ所と宮古製糖城辺工場、沖縄製糖宮古工場。伊良部はため池と牧山ファームポンドのⅢ型給水施設となる。
対策会議は市役所で開かれた。県、JA、各製糖工場、土地改良区、トラック事業協同組合、気象台、共済組合などから構成メンバーが顔をそろえた。
少雨傾向が続く現状に加え、向こう1カ月の天候の見通しを踏まえてかん水作業計画を協議。その上で連携を密にして干ばつ対策に当たる方針を確認した。
会長を務める市農林水産部の平良恵栄部長は「梅雨入りしているが、雨が降らない。この少雨傾向が農作物に与える影響が懸念されており、影響を最小限に抑えることが重要だ。協力をお願いしたい」と話した。
宮古島地方は3月から雨が少ない状況が続く。気象台によると、4月1日から5月23日にかけての降水量は、宮古島(平良下里)で44㍉と平年値の310・8㍉を大きく下回り、率にして14%にとどまる。城辺では135・5㍉と平年比の45%、多良間では同比71%と他地域と比べると降っているが、いずれも平年の降水量を下回っている。