水納島振興で意見交換/住民3人と多良間村、観光協
【多良間】水納島振興に関する意見交換会が25日、水納島で行われた。島の住民3人と村観光振興課、村観光協会などの職員が参加。これからの水納島観光振興について意見を交わした。村からは今年度策定が行われる「第1次多良間村観光振興基本計画」の後期計画に、水納島振興計画を盛り込んでいくことが説明されたほか、島民からの要望や現在の課題などについても聞き取りした。
現在、水納島には宮國重信さん(58)、妻の志穂さん(45)、重信さんの兄の弘市さん(63)の家族3人が暮らしている。
意見交換会では水納島を取り巻く現状や観光をめぐる課題、観光振興への取り組みなどを話し合った。
島の観光振興については村観光協会から「島に上陸したいという観光客の要望がある」とし、同協会に「橋渡し役」としての役割を果たせないかとの問い合わせが多いことが説明された。
島の住民からは「(来島者は)最大5人くらいは可能だが大勢は受け入れられない」「観光は天気に左右されるので、長期滞在の人しか受け入れていない」などが報告された。現在は新型コロナウイルス感染症防止のため、来島者は受け入れていないという。
島の課題については▽携帯電話がつながらないので万が一の場合の連絡網の確立▽案内ガイドの設置▽遊泳場所の決定、案内板の設置▽立ち入り禁止地区の設定-などを挙げた。
また、「ドローンを私有地で飛ばす来島者がいる」「勝手に入島し、キャンプをする人がいる」として村に対応を求めた。
参加した村観光振興課の清村賢一課長は「島に住む皆さんとの合意形成と、観光によるストレスを受けないような協力関係を図り、島にしっかりとお金が落ちる形の観光を考えたい」と述べ、今後も島の住民と意見交換を重ねた上で、島の資源を生かした観光振興に取り組む方針を示した。
水納島 多良間島の北約8㌔の海上に浮かぶ島。昔は集落があり、大勢の住民が漁業を中心に生活していたが、現在の人口は3人。定期船はなく多良間島からチャーター船で渡ることができる。