11年産きび 宮古34万4200㌧に
株出収穫面積拡大で生産量増
【那覇支社】県農政審議会(議長・小那覇安優県農協中央会長)は2日、さとうきび・糖業生産振興対策部会を開き、仲井真弘多知事から諮問のあった「2011年さとうきび生産振興計画」について審議し、全会一致で計画原案を承認した。
2月中旬に仲井真知事あて答申する。11年計画では計画生産量を全県値で前年計画より7100㌧多い89万1500㌧に設定した。宮古地区(宮古本島、宮古離島)は計34万4200㌧の生産を見込む。県農林水産部によると、宮古地区の株出収穫面積合計が前年計画の437㌶から481㌶に拡大したことなどが計画生産量の増加に寄与したという。
宮古地区の株出面積の拡大は06年から実施した誘殺灯によるアオドウガネの害虫防除対策が奏功した。同地域全体で、LEDを利用した可動式、固定式合計で2127基の誘殺灯が成虫発生期に設置されている。害虫総捕獲数は毎年大幅に減っており、アオドウガネ被害も減少している。計画では、これら害虫防除を県全域に拡大する方針だ。
株出面積の拡大に伴い計画生産量を宮古本島25万3000㌧(前年24万3700㌧)に、また、多良間村など宮古離島は9万1200㌧(同8万8900㌧)に押し上げ計画した。
同日の審議会では計画の作付品種表記で、地区ごとの具体的な品種名が記されているが、特定しない表記が望ましいなどの意見が出された。地域特性や地域の実情に適合した代表的品種を「県さとうきび増産プロジェクト会議」などで研究協議していることから、原案のまま採択することで一致した。
11年計画には農業生産基盤の整備など13項目の「重点施策」と北部、中南部、宮古、八重山の4地域別「振興方向」などが盛り込まれている。宮古地域では「機械化一貫作業体系の確立」による農家の経営基盤強化や生産組織、受託組織等の育成を図ることなどが記された。事務局(県糖業農産課)が文章の校正などを行い、同計画は原案通り知事あて答申する予定だ。