旧正月、大漁旗はためく佐良浜、池間など
航海安全と大漁祈願
旧暦1月1日に当たる「旧正月」の3日、旧暦を重んじる伊良部の佐良浜や平良の池間島、久松などでは、漁船に鮮やかな大漁旗を掲げ、向こう1年間の航海安全、大漁を祈願した。
このうち、佐良浜漁港の各漁船には大漁旗がはためき、旧正月ムード一色。漁師らは、船霊(ふなだま)様に神酒や海の幸を供えて盛大に祝った。
佐良浜の神事を取り仕切る神女職のツカサンマ(司母)6人は、各ツカサンマ宅を訪問。
座開きでは御前風を唱和し、四つ竹アヤグなどで歌舞した。全員でウヤキユ(富貴世)の喜びを分かち合った。
一方、本家には分家の関係者らが訪れ、先祖にごちそうを供え、子孫繁栄を報告。旧年中の海上安全、豊漁に感謝し、本家・分家のさらなる交流を誓い合った。
また島外に住む佐良浜出身らが大勢里帰りし、各家庭で祝杯を挙げた。家庭によっては2013年3月に完成する伊良部大橋について語り合い、開通記念の渡り初めを楽しみにしていた。
司母6人は、昨年旧暦1月1日に就任しており、この日が2年目の節目となった。任期は3年。
最高位のフゥヅカサンマ(大司母)の前里悦子さんは「2年目を迎え、気持ちが引き締まる思い。お互いに交流を深め、任期を無事成し遂げたい」と決意を新たにした。
佐良浜の寿方丸の船長、豊見山恵義さん(68)は漁師歴40年。
「元気で大漁するよう願った」と語った。新海丸の船長、仲間博雅さん(52)は「地域住民が無事に過ごせることと全漁師が大漁するよう祈った」と強調した。