「またか、仕方ない」/「子供にしわ寄せ」とも
学校や保護者 工夫で乗り越え/小中休校
新型コロナウイルスの感染が広がる中、市内17の小中学校は9日から一斉に臨時休校に入る。「またか、仕方ない」と冷静に受け止める保護者がいる一方、「一部の大人たちの行動が、子供たちにしわ寄せとなっている」と、憤りの声も上がった。教諭は「休校でも学びの環境づくりに努める」と工夫や知恵で乗り切る考えだ。
夫婦共稼ぎで2人の小学生がいる父親は「またかという思いだが仕方ない」と冷めた様子。「子供たちには午前中は宿題、午後はゲームをしながら留守番するようにと言ってある。近くにいる祖父母にも、時々様子を見るようにとお願いした。運動不足が心配だが、ゲームで解消できるアプリを活用している」と話した。
この父親は「一部の人たちの行動が、子供たちにしわ寄せとなっている」と述べ、コロナ禍における行動様式を訴えた。
宮古高校では、緊急事態宣言が発令されて以降、原則的に部活動は停止しているという。
17日に熊本県で開幕する陸上の南九州ブロック大会110メートルハードルに出場する砂川太吾さんは「部活が停止し、競技場が使えなくなるとハードルも使えないので厳しい。ただ、そうなった場合でも最低限の調整を続けて大会に臨み、全国大会に出場したい」と意気込みを見せた。
山原茂人顧問は「この時期に部活動が停止になる影響は大きい。砂川(太吾)は、これから課題を克服しながらレベルを上げていく段階にあった」と調整に及ぼす影響を懸念し、「大事なチャンスが目の前にある。ベストの状態で臨ませたいのに残念だ。子どもたちには何の責任もないのに」と唇をかんだ。
鏡原小の前泊一郎校長は「新規感染者が減らない状況で、(休校は)仕方がないと思う」と理解を示した。学習の確保については「低学年には紙、高学年の場合はタブレットを活用したドリル学習が中心になる」と話した。
40代の男性教諭は「他の先生と協力し、休業中でも子供たちが学べる環境づくりに努めたい」と話し、さまざまな工夫を凝らして学びの場を確保していく考えを示した。