伊良部での計画見直し/新し尿処理施設
市長、財政負担拡大を懸念
伊良部地区での建設が決定していた新しいし尿処理施設について、市は計画を見直す方針を決めた。9日開会した市議会6月定例会で、濱元雅浩氏の緊急質問に市当局が明らかにした。座喜味一幸市長は、費用対効果やかかる経費などを挙げ、「市の財政負担が拡大することがあっては好ましくない」などと理由を述べた。
し尿処理施設の計画変更の有無について質問した濱元氏に対し、友利克生活環境部長が伊良部で整備することが適切なのかとの議論を今年4月以降に庁内で始め、検討の結果、「可能であれば見直しに向け進める方が良い」との結論に至ったと答弁した。
伊良部での整備を見直す理由としては、宮古本島から伊良部まで運搬する事業者負担コストの増加などを示し「コストが増える負担を市民に掛けることは適切ではない」と説明。「伊良部での整備断念ではなく、場所を含めた見直し作業を行っている」と述べた。
座喜味市長は「新しい所でし尿処理施設を造るという費用対効果や、維持管理、将来にわたる経費などを総合的に考えると、市の財政的負担が拡大するようなことがあっては好ましくない」との考えを示した。
市が3月に議会へ予算を提案し、議会が承認した計画を、4月になって見直すという手法に疑問を呈し、不信感をあらわにする濱元氏に対し座喜味市長は「事業をすることが目的ではなく、予算計上しておいた上で検討することも重要と考えている」と答えた。
市議会6月定例会の初日、濱元氏と前里光健氏は緊急質問の動議を提出。いずれも賛成多数で動議が認められたことから、濱元氏はし尿処理施設と伊良部野球場について、前里氏は新型コロナウイルスのクラスター再発防止について質問を行った。