市予算326億8000万円/11年度最終内示
前年度比3.9%の減
宮古島市は4日、2011年度一般会計当初予算案を各部に最終内示した。総額は326億8000万円で、10年度当初予算額340億2200万円に比べ13億4200万円(3・9%)の減となった。葬祭場や下里公設市場などの大型工事の執行が終了したことが要因。不況の影響で、生活保護世帯が増加したことに伴い13億6900万円の生活保護費を計上した。歳入全体に占める自主財源の構成比は16・8%、依存財源は83・2%で、依然として国、県に頼らざるを得ない財政状況に変わりはない。予算案は、3月1日開会予定の市議会3月定例会に提案される。
新規に「こども劇団」設立事業
主な新規事業は、平良、城辺など5地域の活性化を図るために、これまで1地域約70万円だった補助金を300万円に増やす「地域づくり支援事業補助金」。
地域の防災強化のため、屋外に設置されている拡声器約100基を整備などする「宮古島市IP放送システム事業」ほか、入院費用の助成をこれまでの未就学児までを小6までに拡大する「乳幼児医療費助成事業」。
また、演劇を通して子どもたちの健全育成につなげようと「市こども劇団」の設立に向けた事業を進める。
学校施設の整備は、砂川小、久松中の校舎改築や平良中の体育館改築事業が盛り込まれた。
お年寄りへの敬老祝い金や児童生徒の県内外への派遣費などは前年度とほぼ同額で計上した。
歳入は、自主財源の柱である市税が44億4000万円。民間アパートの建設ラッシュなどで固定資産税の伸びを想定し、前年度比9800万円(2・3%)の増額を見込んだ。
依存財源の地方交付税は124億6500万円で、前年度比4億8000万円(3・7%)の減。国庫支出金は53億8800万円で、前年度比4億1800万円(7・2%)の減。それに伴い県支出金も44億300万円となり同比1億7500万円(3・8%)減った。
一方、歳出は議員報酬や市長、職員の人件費が億7200万円で、前年度比9500万円(1・3%)減となった。
扶助費は55億2300万円。生活保護費の増加などで前年度比6億2600万円(12・8%)と大幅に増えた。
過去の借金の返済に充てる公債費は39億900万円で、前年度比1億8800万円(4・6%)減となった。
国民健康保険などを含む特別会計は128億4000万円で、一般会計と合わせた総額は455億2000万円。前年度比10億円の減となった。
市は11年度の予算編成について①沖縄振興計画の最終年度であり、総仕上げの年②「沖縄世紀ビジョン」で示された将来像の実現に向けた取り組みを始める重要な年度-を挙げ「環境に優しく、健康で活力あるまちづくりの実現を図る」としている。
具体的には▽エコアイランドの推進▽農林水産業の推進▽経済活性化と雇用の促進▽医療、福祉、教育の充実▽観光、スポーツ振興の推進-を重要課題として取り組める予算編成を行った。
10年度から公共施設の維持管理費(光熱費など)を年間を通して満額計上したことを特徴として示した。「事務経費の節減や合理化に結び付けたい」としている。