E10やEV車普及へ/低炭素社会構築委
報告書まとめる
島嶼型低炭素社会システム構築委員会(委員長・横山隆一早稲田大学院教授)は4日、市中央公民館で最終会議を開き報告書案を審議した。2050年までのCO2年間排出量削減目標は、03年と比べ73%(25万㌧)減らし9万2000㌧とする環境モデル都市行動計画の数値を採用。目標達成に向けては、地域ぐるみの取り組み推進やガソリン燃料の全量E10化(目標年20年)、30年までに電気自動車(EV)を40%に増やす(同30年)などの努力目標を示した。
報告書はパブリックコメント募集(7~18日)などを経て28日、下地敏彦市長に最終報告する。
03年度CO2排出量(31万9000㌧)の部門別割合は多い順に運輸27%、家庭25%、業務21%、産業19%。
運輸部門の削減対策には自転車の利用促進、ノーマイカーデーの実施、自家用車に頼らない児童生徒の登下校などを挙げた。
30年までの努力目標には、車両台数を現在と比べ10%減らすことも示した。
家庭部門の30年までの努力目標には、1世帯当たり消費エネルギーの13%改善と、家庭用太陽光発電設備を40%まで拡大を明記。消費エネルギーの「見える化」、エコハウス認定制度の確立などを対策に挙げた。「見える化」では、家庭の電力使用量のモニター調査を描いている。
業務部門の目標は、単位床面積当たりの消費エネルギーの15%改善。新設されるホテルの省エネ設計ルール化や、公共施設への太陽光発電システム設置などを推進する。
産業部門では消費エネルギーの10%改善を、目標に掲げている。農業機器の電動化、農業部門全体における水とエネルギーのゼロ・カーボン(炭素)化を目指す。
低炭素社会は、環境技術と産業や経済発展の一体化を大きなねらいとする。最後のページでは「議論で共通していたのは島の発展であり『こころつなぐ結いの島 宮古』の実現であった」と記した。