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政治・行政
2021年6月16日(水)9:00

伊良皆氏、古謝氏が届け出/多良間村長選告示

現職、新人が一騎打ち/「継続」「刷新」論戦火ぶた

 【多良間】任期満了に伴う多良間村長選挙は15日告示され、島を二分する5日間の選挙戦に突入した。立候補したのは届け出順に現職の伊良皆光夫氏(66)と、新人の古謝政一氏(62)で、いずれも無所属。前回同様に一騎打ちとなった。両氏は、各選挙事務所で支持者らを集めて出陣式を開催。「ガンバロー三唱」などで勝利へ向け気勢を上げた。投票は20日で、即日開票される。期日前投票は16日から19日まで、村役場1階会議室で午前8時30分~午後8時まで行われる。有権者数は793人(男性440人、女性353人)。

 今選挙は「村政の継続」か「刷新」かで、島が抱える人口減への対策や雇用、医療、福祉問題などの課題解決のほか、製糖工場建設に係る損害賠償裁判や宮古製糖との工場使用料問題などに対し、有権者がどう評価するか注目される。

 3期目を目指す伊良皆氏は、村民所得の着実な向上につながる産業の振興、人口減少・過疎化対策、希望と活力あふれる豊かな村づくりなど七つの基本政策を掲げている。

 同村トラック事業協同組合や建設業で構成する建設新生会から出馬要請を受け、引き続き村政を担当し村の課題解決に全力を挙げると意気込みを示している。

 初当選を狙う古謝氏は、「村民の命と暮らしを第一に村民不在の行政から村民に開かれた村政へ」を基本に、農業・畜産業・水産業の振興、行財政改革など八つの基本政策を示している。

 同村議会有志から出馬要請を受け、過去32年間の行政経験と実績を強調。村民の声を大切に、公正、公平な行政運営に取り組むとしている。

 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言発出中ということもあり、大規模な集会などは開かれておらず、政策を訴えるSNSを活用するなど通常とは違った選挙戦を展開している。また、浮動票がほとんどない地域で、両陣営とも地縁血縁票を基礎に票の上積みにも総力を挙げる。

 4年前は47票差で現職の伊良皆氏が当選を果たしている。また、先月23日の村議選では伊良皆氏を支持する候補4人が当選して過半数を確保、古謝氏を支持する候補者は4人が出馬して3人当選となり、獲得票数は伊良皆氏支持が88票差で上回った。

 同村では村長選と村議選は「別物」ともいわれ、結果がそのまま反映されるわけでないため、両陣営とも勢力は拮抗(きっこう)しているとみられ接戦が予想される。


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