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社会・全般
「緑の街角賞」(行雲流水)
去る3日市民運動実践協議会グリーン部会は平成年度の「緑の街角賞」入賞庭園を発表した。同賞は市民個々人による緑の庭園づくりひいては緑豊かな居住環境たる地域づくりをめざす緑化運動の象徴である
▼「各家庭の緑」が隣近所連なって延長すると「緑の通り」となる。さらに通りの緑が東西南北に広がると地域全域は「緑の快適居住環境」となる。これが「緑の街角賞」推進運動の図式であり理念である
▼「色も形も大きさもデコボコに混在する人工建築物。その建築風景の通りに一筋の緑(街路樹)が入った時まち並みは統一される」「人々は〝緑豊かな風景〟という言い方で自然と人工(建造物)の調和した理想風景を求めてきた」(進士五十八(『緑のまちづくり』)
▼しかし今電線地中化でマクラム通りの街路樹ホルトノキはほとんどが撤去された。掘り起こし(根回し)作業が不適切だったのか移植された木々は立ち枯れて消滅したという
▼だとすれば政府が厳しく実施した「仕分け」相当の莫大な税金が死に体になったということか。それでも物言わぬ街路樹が相手ゆえ当事者は誰も責任を感じていないようだ
▼道行く人々に優しく緑陰を与えていた街路樹。来る猛暑の夏、市民は「緑への要求の根底には落ちついた背景を整える穏やかな緑を求める心が存在」(同書)していたことを思い知るであろう。