市史「みやこの祭祀(下)」発刊/市教育委員会
地図、写真多様で読みやすく
市教育委員会(大城裕子教育長)は9日、市役所で記者会見し、「宮古島市史第2巻祭祀(さいし)編(下)悉皆(しっかい)調査(城辺、上野、下地、伊良部地区、多良間村)みやこの祭祀」の発刊を発表した。今回は400部発刊し、図書館や博物館などに配布。100部を島内の書店で販売するとしている。値段は税込みで7000円。
会見で大城教育長は「祭祀に関わる場所の地図や写真を多用することでとても読みやすい内容になっている。宮古島の祭祀を後世に伝え、学ぶ上でとても参考になる本となった。多くの市民の手に取ってもらえればうれしい」とあいさつした。
長濱幸男市史祭祀編小委員長によると、今回の下巻では750件の祭祀が掲載され、これまでに発刊された上と中巻の平良地区の485件を加えると、1235件の宮古島の祭祀が紹介されたという。
長濱さんは「この上中下巻にはこの10年間で約300人がその編さんに関わり、宮古全体の祭祀を網羅し、その全容が分かったことがとても重要なこと」と述べた。
さらに、宮古の祭祀を分類すると最も多いのが豊作、豊漁祈願などが約半数を占め、次いで厄払いなど安全防災関連となり、その次が健康・長寿などとなっているという。
今後の課題については「1235件のうち最近では4割の祭祀が無くなっている。何としても大切な祭祀を守りたいが、一生懸命に守っているところとそうでないところがある。地域の祭祀を守るためには自治会の協力が不可欠」と訴えた。
下巻の販売先は、ブックスきょうはん宮古南店(79・0013)、TSUTAYA沖縄宮古島店(72・3205)。