「医療危機迫っている」/デルタ株、急速に広がる
本永宮古病院長
宮古島市内で新型コロナウイルスの新規陽性者数が増加している状況を受け、市と宮古病院は13日、市役所で共同記者会見を開催した。宮古病院の本永英治院長は、8月に入り患者が急増している要因として感染力が強いとされるデルタ株による市中感染の影響を指摘し、「医療の危機が迫ってきている」との緊迫感を示し、新規患者の発生を抑える必要性を訴えた。
全国的にデルタ株の患者が急増している状況に連動する形で、宮古島でもコロナ患者が増加していて、「デルタ株のため感染拡大が急速に広がっていて、市中感染になっている」と説明する本永院長。8月に入ってからの新規患者数が200人を超え、人口10万人当たりの患者数は250人を超えるなど「世界トップの発生状況」にあるとして、「今年1月の第3波の爆発的流行と同様に、また医療危機が迫ってきている」との認識を示した。
患者数の急増に伴いコロナ担当業務が圧迫されていることへの対応として、16日から一般外来診療を休止することを発表し、「市民には心配と迷惑を掛けるが、協力と理解をお願いしたい」と呼び掛けた。
宮古病院ではコロナ用の病床として現在、49床を確保していて、13日午後現在の入院者数は19人で重症患者はいないことを紹介する本永院長。ただしコロナ患者が重症化し集中治療室(ICU)での治療が必要となり、ICUで治療中の非コロナ重症者を一般病棟に移さなくてはならなくなった場合、一般病棟の看護体制で対応することが難しくなる恐れがあるとして、「重症者を絶対に発生させないことが、われわれが求めていること。そのためには患者の発生を抑えることが必要」との考えを示した。