サッカー場計画が具体化/上野陸上競技場
今月中にもボーリング調査
宮古島市が上野陸上競技場をサッカー場に変更するための準備を進めている。今月中にもボーリング調査を実施し、競技場の土質を調べる方針。市は現在のトラック部分も含めて全面を芝生に張り替えたい考えだが、地域住民の間ではトラック部分は残してほしいとする意見もあり、曲折も予想される。
サッカー場の設置は宮古サッカー協会などが強く要望。横浜FCの宮古島キャンプが実施されていることもあり、練習環境の充実および世界的に人気があるサッカーを通じたスポーツ振興を求めて下地敏彦市長に要請行動を行ってきた。
これを受けて下地市長は計画の具体化を担当課に指示。同課を中心に検討し、新規の設置は財政的に困難であるため既存の施設の活用を模索した。その結果、同陸上競技場の変更案が浮上、競技場トラック部分を含めて全面の天然芝生化を計画している。
サッカー場整備に伴うメリットとしては▽島内でも盛んなサッカーの練習・試合環境の充実▽プロサッカーチームのキャンプ誘致によるスポーツおよび観光の振興▽各種イベント広場としての活用-などが挙げられる。
財源は「スポーツ振興くじ助成金制度」を利用する方針だ。現段階の見積もりでは芝生の張り替えで3000万円、ナイター設備の設置に2000万円を見込んでいるが、同制度を活用すれば芝生張り替えで4分の3、ナイター設備で3分の2を補助金で充当。市の負担は2000万円以内に収まるという。申請は今年7月を予定。
計画の具体化は進んでいるが、今後注目されるのは上野地区の住民を中心とする市民の反応だ。競技場からトラック部分がなくなると、陸上競技大会などの開催に支障が出るほか、芝生の維持管理の面から一部で使用の制限も予想される。
関係者によると、陸上の競技力向上および健康増進のウオーキングなどで日常的に利用する市民もいるとされており、今後の市当局と上野地域の話し合いが注目される。