利用可能は確保部屋の半数/看護師不足が要因
市議会一般質問で市が説明/新型コロナの宿泊療養
新型コロナウイルス対策のため、県が借り上げている宿泊療養施設(ホテル)の部屋数に対して、実際に稼働できるのはその約半数であることが16日に行われた市議会9月定例会の一般質問で明らかになった。その理由について、市側は看護師など、対応するスタッフ不足を上げている。また、市によると9月11日までの利用者は508人。1日最大の利用部屋数は38部屋だったとしている。
市における宿泊施設療養について、友利克生活環境部長は「県によると、市内の宿泊施設療養は昨年の8月から運用開始し、スタート時点は27部屋。その後、今年1月には73部屋が確保されている」と説明した。
その上で「宮古保健所は、ホテル(宿泊療養)を希望する人には原則提供しているが、8月の感染拡大ピーク時はその希望に対応できず自宅療養になったケースもあった」と説明した。
実際に、感染が急拡大した8月の市の療養状況では、「入院調整中」が一気に増加し、「自宅療養中」も大幅に増えて3桁台で推移する中、「宿泊療養」はピーク時も30人前後で推移し続けた。
この問題を指摘した平百合香市議は「あるお母さんが(感染拡大の)ピーク時に宿泊施設での療養を願い出たが自宅療養になった。結果的に同居中の家族にも感染させてしまって、精神的にもつらい思いをしたと聞いている」と、当時の状況を説明した。
これに対して、友利生活環境部長は「確保したすべての部屋に対応するにはスタッフが不足している状況。看護師不足については今後、地区医師会とも連携しながら対応できるよう調整し、なんとか乗り切りたい」と説明した。
市に対して平氏は、こうした問題について県の対応を待つだけでなく、市としてもリーダーシップを持って行動することの必要性を訴えた。