全面芝生化、大半が「反対」/上野体協
市サッカー場設置計画
上野陸上競技場を改修する市のサッカー場設置計画で、上野学区体育協会は9日の理事会で改修案について協議した。この結果、大半の参加者がトラック部分を含めた全面芝生化計画には反対の意向を示した。陸上競技大会の開催に支障が出ることや芝生の維持管理強化に伴って住民の利用が制限されることなどが大きな理由。一方でフィールド部分の改修には理解を示す参加者もおり、今後は競技場の一部改修を軸とする協議に進展する可能性がある。
理事会には理事を務める各地区の区長をはじめ、各競技専門部の代表ら約30人が出席した。トラックを含めて全面を芝生化する計画案やフィールド部分のみの改修案について話し合ったが、全面芝生化案には一部を除いて大半が反対する意向を示した。
市当局は、全面を芝生化してサッカー専門の競技場に改修したい方針だが、地元上野地区の住民は競技会の走路になるトラック部分を残すよう主張。参加者の一人は「学区陸上は地域の一大行事。この大会が上野地域でできなくなることを区長の皆さんは強く心配している」と話した。
同体協は10日、理事会での協議内容を市民スポーツ課に報告。市は今後、同体協の意向を踏まえながらサッカー場設置事業に関する検討を進める。
ただ、競技場の全面芝生化案、一部改修案のいずれかに落ち着いたとしても、今月中にも行うボーリング調査の結果次第では現段階での設置事業は立ち消えの可能性もある。
ボーリングは競技場にある2~3カ所の凸凹の原因を調べるために実施するが、仮に地盤の落ち込みが激しい状況なら修繕に多額の費用を要する。こうなると助成金制度を活用しても市が持ち出す予算の負担が増し、財政的に設置事業は見送らざるを得なくなる。
競技場の地盤の状況および改修計画に関する市当局と地域の話し合いが注目される。