改修費9400万円見込む/旧平良図書館
市長 存続に否定的な考え示す
市民グループから旧市立平良図書館の存続を求める署名が提出されていることについて、下地敏彦市長は21日、継続使用する場合の改修費用見積額が約9400万円となることを説明。結論は市議会の意見を聞いた上で判断したいとしながらも、存続させることは難しいとの考えを示した。
建物の老朽化に伴い、取り壊しを決定し、現在は市役所平良第二庁舎1階に図書館機能を移転している市立平良図書館。市民有志で結成した「旧宮古島市立図書館(旧文化会館)の活用を考える会」は「1961年に宮古琉米文化会館として建設された同建物には文化的価値がある」として、取り壊しの一時中止を求める署名約1万人分を集め、市長あてに提出していた。
21日に開かれたマスコミ定例会見の中で下地市長は、提出された署名のうち、市民からのものは4600人分ほどで、残りは島外や県外、国外からの署名であったことを説明。市議会に意見を求めるに当たって、継続使用する場合の改修費用を見積もった結果、建物の耐震診断に約470万円、改修委託設計に440万円、改修工事に8300万円、アスベスト調査に15万円、同撤去に210万円となり、合計を約9400万円と試算。そのほか、維持管理費に年間2500万円ほど必要との見込みを示した。
下地市長は「市議会の意見を踏まえた上で最終的な結論は公表したい」としながらも「これだけの金額をかけて改修するとなれば、新図書館の建設は難しくなり、再び(旧図書館建物を)図書館として利用せざるを得なくなる」との考えを明示。「改修したとしてもあと何年、利用できるかも分からない」と現時点では建物の存続に否定的な思いを示している。
議会事務局によると、市議会では今月24日に予定している議員全員協議会の中で、同案件について意見を交わし、議会としての考えを市長に伝えたい考え。