品質低調、全県で顕著に/10-11年期サトウキビ
台風、日照不足が影響
2010-11年期サトウキビの低調な品質が全県で顕著に表れている。日本分蜜糖工業会がまとめた工場別の品質・製糖実績(20日現在)によると、県内製糖工場の品質(平均糖度)はいずれも前期の実績を下回る結果に。宮古地区の分蜜3工場は13~14度台と基準糖度の13・1度以上を確保しているが、前期の15度台には到達していない。同工業会では昨年10月末の台風と日照不足が主な要因と分析。台風という自然災害が与える影響を裏付ける結果となった。
前期実績では、品質で14度を上回る工場が9工場あったが、今期は翔南製糖、JA伊是名、沖縄製糖宮古工場の3工場のみ。沖糖は宮古地区最高の14・36度となっている。
その他の7工場は11~13度台で推移し、最も低い品質は大東糖業の11・62度。北大東製糖も12・30度と基準糖度帯以下の品質取引が続いている。
品質低下と並行して歩留まり(原料のサトウキビから取れる糖の割合)も低調。各工場とも前期に比べると比較的低い数字で推移している。特に宮古3工場は前期の13%台から11%台まで落ち込んでいるのが現状だ。
分蜜糖工業会や製糖工場関係者の話を総合すると要因は台風と日照不足。昨年10月に接近した台風の影響で葉が裂傷、その後雨が降らずに塩害を引き起こした。さらに昨年10~11月、今年1月の日照不足がサトウキビの生育を阻害するなど、気象条件が今期サトウキビの生育および品質に影響を与えた。これは全県的な要因。
宮古地区の今期サトウキビは33万㌧の搬入が見込まれ、生産量の面では4年連続の豊作型。品質は沖糖を含めて前期の15度台には及んでいないが、各工場とも今後の品質上昇に期待している。