充実感持てる島づくりへ/市議会3月定例会
地域力、均衡発展基本に
宮古島市議会(下地明議長)3月定例会が1日開会し、下地敏彦市長が2011年度の施政方針を表明した。基本施策として、島全体の均衡ある発展と地域力の向上を挙げ「高齢化が著しい農村部や離島地域における若者層の定住促進と地域力の向上を図る必要がある」と強調。「活力があり市民が充実感の持てる島づくりを着実に推進していく」と述べた。
地域力の向上について具体的には▽地下ダムの有効活用▽サトウキビの生産拡大▽マンゴー、冬春期野菜の高品質化▽宮古牛のブランド化および販路拡大-を示し「農家所得の向上を促進していく」と語った。
地域住民が主体となって地域づくりや地域興しへの関わりを呼び掛け、「地域ネットワークの拡大を図り、地域力の向上を促進していく」と力説した。旧市町村単位の地域づくり協議会の活動を支援するため、新年度一般会計予算に前年度比大幅増の1500万円の助成金を計上したことを強調した。
重点施策の循環型社会の形成については、電気自動車を活用したカーシェアリング(会員間で特定の自動車を共同使用するサービスやシステム)の実施やE3、E10燃料の普及拡大の促進、次世代エネルギーパークの普及啓発を図るとしたビジョンを示した。
農林水産業の振興については、経営の安定を促進するため基盤整備事業を引き続き推進することやキビの生産拡大を促進するため、肥料購入費の助成を実施することを表明したが、キビの年内操業については「実現に向け、今期製糖終了後に製糖会社と引き続き協議していく」との発言にとどめた。
学校規模適正化については、下地、伊良部、城辺、平良の中学校統合案が答申されていることを挙げ「教育委員会の方針決定を待って取り組む」と述べた。小学校については「過小規模校の解消に向け、校区の再編と弾力化、小規模特認校制度なども含め検討していく」と適正化へ向け協議を加速させていく姿勢を見せた。
行財政改革について下地市長は、効果的、効率的な組織機能の再編、構築を図るため城辺、上野、下地の3支所における部長制の廃止と課の統合を行うとした。
市の財政状況は、自主財源が少なく国、県に大きく依存した構造となっていると指摘。加えて、社会保障関係経費の増加や今後、地方交付税の特例措置分が縮減することなど、厳しい状況に陥る可能性があると説明した。その上で「歳入の確保や事務事業の再編、改善、施設管理の見直しなどを着実に実施していく」と力説した。
下地市長は、施政方針で「市職員による不祥事が発生し、市民の皆さまに多大な迷惑を掛けた」と陳謝し、早期の信頼回復に努めていくと強調。法令に基づいた業務遂行の徹底ほか「部長、課長職などの管理職に対する指導を強化する」と述べた。