就職の機会生かせず/県主催の合同就職説明会
参加わずか10人で県内最低
県主催の合同就職説明会・面接会が5日午後、平良港ターミナルビルで開かれたが、参加した求職者はわずか10人だった。昨年11月の参加者90人から大幅に減少。今年度県内各地で実施されてきた19回の説明会の中で最低の参加者数だった。事業委託を受けている説明会の実施企業は「良い機会なので説明会を活用してほしかった」と落胆。地元求人企業の代表も「この状況で本当に就職難なのか」と話し、就職の機会を生かし切れていない実情を嘆いた。
この説明会は県の雇用対策の一環で、求職者と求人企業の採用担当者が面接の形で話し合えるというメリットがある。求職者は企業を比較検討し、求人企業は採用の可能性を探る機会として県内全域で開催されている入場無料の説明会だ。
宮古、八重山では2回ずつ開催。90人が参加した昨年11月の宮古の説明会を踏まえ、実施企業は「2回目の今回は100人以上の求職者が訪れる」と見込んで地域に対する広報を強化。行政機関を含む関係各所の協力を得ながら説明会への来場を呼び掛けてきた。
しかし、開場から3時間30分が経過しても来場したのはわずか10人だった。地元5社と県外3社の求人企業が参加したが、1人も説明を求められなかった企業もあった。
ハローワーク宮古が調べた1月の雇用の動きによると、新規求職申込件数は396件に上る。昨年12月、前年の同月と比べても求職者は増えている現状にあるという。
このような実態を踏まえて地元の求人企業は憤る。ある企業の代表は「就職難、仕事がないと言いながらこのような機会を生かしていない。本当に就職がしたいと思えばもっと必死になれるはず。良い機会を逃さないでほしい」と話し、求職者により積極的な就職活動を求めた。
実施企業の一つ、アドスタッフ博報堂の小橋川利恵さんは「企業の採用担当者と直接話ができる良い機会。興味がない業種であっても選択の幅が広がる可能性があるので積極的に利用してほしい」などと話した。
県は次年度も同事業を継続する。ただ、宮古説明会の10人という参加実績は事業効果の面から見直しの対象になる可能性もあり、宮古における雇用対策の後退も懸念される。