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社会・全般
大城 智さん(54歳)/「ゆうやなうれ宮古島プロジェクト」代表
次世代につなぐ宮古島めざす
3月にホノルルで行われる国連環境計画とNOAA(アメリカ国立海洋大気圏局)が共同開催する「第5回海洋ごみ国際会議」に、宮古島の実情を報告するまたとない機会を得た。「50年後の子や孫がどんな環境の元で暮らしているのか、考えただけでもじっとしておれない。山を崩し、森を削り、海岸を埋め立て、島の景観がどんどん変わっていく。市民生活が多くの公共工事に頼らざるを得ないのは、島が自立していないから」と熱く語り、歯科医師の傍ら、島を自立させるためのプロジェクトをネットで立ち上げた。世界中の人たちの意見や情報を集め、島の共有資産としての有効活用をめざす。
昨年から手掛けた海岸の漂着ごみ問題は、今後大きな地域負担として影響することから活動対象として決め、動き始めた。「海岸清掃は、景観のためだけでなく地域の生態系を守る上で大切なこと。今後、東アジア諸国の経済発展が加速し、人々の生活が向上する中でごみも大量に排出され、河川を経由して海に流れ出す。よそから流れてくるごみにどう対応するか、それが今後の課題」
海洋ごみには5つの大きな問題があるという。まず、プラスチック原料には、人体や生物に有害な物質が含まれている。蓄積することで、海の生き物やサンゴ、海岸線の植物などに対する影響。外国語で中身が確認できない危険物や環境汚染物質が漂着する恐れ。清掃作業に多大な労力が必要となること。有害な漂着物を安全に処理するための方法など、地方行政単位では負担が大きすぎると話す。
漂着ごみの中でも、波に運ばれて浮遊するプラスチックの原料ヌードルが海の生態系に影響を及ぼすのではないかという考えの上で、狩俣地区や白川田の浜できめ細かい調査を行っている。「今後ますます増えるであろう海洋ごみは、小さな島々や海岸地域に住む人々が大きな影響を受けると思う。低コストの処理方法を開発するなど、世界中で応用できるシステム作りが急務だ」
3月20日から一週間行われる国際会議では、妻の裕子さんや現地の友人らにも応援してもらい、宮古の浜の実情を紹介してきたいと意欲を見せる。
プロフィル 1956年9月20日生まれ。宮古高校卒業後、鶴見大学歯学部卒。卒後、同大附属病院・口腔外科入局。86年、旧伊良部町立歯科診療所勤務。88年、佐良浜歯科医院開設。2008年「ゆうやなうれ宮古島プロジェクト」開設。裕子さんとの間に1女4男。