ワクチンと検診有効/子宮頸がん予防
失神多発報道を否定
市福祉保健部は3月からの子宮頸がん予防ワクチン無料接種を前に4日、市中央公民館で予防啓発講演会を開いた。講師の青木陽一琉球大学院教授は「子宮頸がん予防には、ワクチン接種と、検診が有効。ワクチンで子宮頸がんの60~70%の予防が期待できる」と強調した。接種を受けて失神する人が多いとの報道に関しては、米国での発生報告(接種回数の0・0074%)を示し否定した。
子宮頸がんは、子宮の入り口にできる。性交渉の際に感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が、引き起こす。
国内では年間に約9000人が罹患し、約2500人が死亡。同ウイルスには100以上の型があり、このうち16、18型が子宮頸がん原因ウイルスの70%を占めるという。HVP陽性率は20代がピークで、20~25%。20~30代で発症が急増し、問題化している。
16、18型に限ったワクチン予防効果は97~98%とかなりの有効性を示した。
子宮頸がんは早期に発見すれば簡単な手術で、ほぼ百%完治するという。琉球大学の治療患者数データによると、進行した子宮頸がん患者の70%は、全くの未受診者か、5年以上の未受診者だった。
子宮頸がんの早期発見については①20~50代の検診率向上②妊婦の検診-を勧めた。
ワクチン接種の対象は①最も推奨が10-14歳②次に推奨が15-26歳と、年齢区分の目安を明示。ワクチン接種を普及させる方法は公的補助と集団接種が有効とした。
沖縄の子宮頸がんに関しては①発生率が高い②進行がんが多い③20~50歳代の検診率が低い-などの特徴を示した。
宮古島市では3月20日に1回目のワクチン接種を市中央公民館で行う。伊良部地区は28日、旧佐良浜診療所。対象は高校1年生に相当する年齢の女子。費用は市が全額助成する。接種は約1カ月後に2回目、約6カ月後に3回目を行う。