モズク網2000枚流出/狩俣漁業グループ
収穫目前、生産者落胆
東北地方の三陸沖を震源とする巨大地震に伴う津波が宮古島まで押し寄せた影響で、狩俣漁業生産グループ(狩俣光男代表、会員約30人)の養殖糸モズク網約2000枚が流出していたことが12日、分かった。収穫寸前の被害に、生産者らは悔しさをにじませていた。津波警報発令の解除後、被害調査を実施し被害額を明らかにする。
今期産は25人が参加し、1人当たりの養殖網数は120枚で計3000枚。今年に入ってから池間大橋東側の海域に種付け網を設置した。網は鉄筋杭を利用して張られた。
生産者らは、宮古で11日午後7時34分に70㌢の津波が観測されたた時に被害は出た、とみている。
養殖網約2000枚は鉄筋杭を抜き取る形で流れ、絡まりながら団子状に漂流。浮き球が付いている団子状の網は、大橋近くのサンゴ礁に引っ掛かり停止している。
生産者らは「津波警報発令が解除された場合、付近の海域を航行する船は漂流網に注意してほしい」と呼び掛けている。
狩俣代表は「糸モズクの収入減で、これからの生活は苦しくなる」と落胆の表情を見せていた。