そば栽培で島の未来描く/宮総実環境班
地下水保全、食料自給/研究動画を水サミットに応募
日本そばの栽培を通して島の明るい未来を描こうとする研究を展開しているのは、宮古総合実業高校の環境班(児玉凜部長)だ。同班では、その研究動画を4月に熊本県で開催される第4回アジア・太平洋水サミット」などで上映しようと、関連イベントの「ユース水フォーラム・九州」に応募。優秀動画に選ばれれば同サミットや3月の世界水フォーラムでも上映される予定だ。
1997年から地下水保全についての研究に取り組んでいる同校の環境班。現在のメンバー4人は全員2年生で児玉さんのほかに、下地りぃさん、仲間聖華さん、上江洲哉裕さん。
同班では、地中の硝酸性窒素を日本ソバが吸収するとの実験結果を基に、サトウキビ収穫後、次の植え付けまでの間に日本ソバを栽培することを通して使われた化学農薬がどれだけ土壌や地下水に影響を与えているのかを調べているほか、その影響をどうすれば減らすことができるのかについても研究している。
顧問の前里和洋教諭は「現在の研究の目標は、宮古の地下水の安全安心とそば栽培を通して食料を島で自給したいと考えている。これから地球温暖化の問題は大きくなる。食糧危機なども危惧されている。宮古は離島なので自分たちの水と食料をどうやって確保していくかを、この研究を通して調べていきたい」と説明した。
前里教諭によると、応募した動画は、同フォーラムのユーチューブチャンネルで見ることができることから、市民にもぜひ見てほしいと呼び掛けている、
昨年末に同班が植え付けた日本そばは現在、同校の第2農場で花が満開となっている。
2月末か3月上旬に収穫を予定しており、班のメンバーからは「管理していくのは大変だったが、何もなかった畑にこうして一気に日本そばの花が咲き誇ると、とてもいとおしく感じる。この研究で最も地下水保全に効果的な品種の保存を確立していきたい」と話した。
そのほかにも「そばの研究だけでなく、収穫したあとはぜひ、そば打ちもしたいし、パンやサーターアンダギーにも入れて食べてみたい」と笑顔になった。
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