あす、開通から30年/池間大橋
恩恵生かし、発展誓う
1992年2月14日、池間島と宮古本島を結ぶ「池間大橋」が開通した。島の生活を支え、島民に多くの恩恵といろいろな課題をもたらした希望の架け橋は、あす14日に30年の節目を迎える。きょう13日には島内で、30年目の式典と大橋ウオーキングも予定されており、島民たちは大橋の恩恵を最大限に生かした明るい未来に向けて、新た歴史を歩み出す。(8面に関連)
1963年に当時の真栄城徳松平良市長が打ち出した池間架橋構想の実現に向けて、島民たちは粘り強い要請活動を展開した。
81年には離島苦解消を目的とした市町村道事業国庫採択され「池間大橋建設事業」はスタート。
10年間の総事業費は約99億円。総延長は4676㍍。このうち、本橋梁(きょうりょう)部分(橋の長さ)は1425㍍で、91年8月に宮古本島と池間島が橋でつながった。
翌92年2月14日に島全体が歓喜に包まれる中で、希望の架け橋は開通した。
当時の真栄城市長の構想打ち上げから実に30年を経て橋はつながり今回、それからさらに30年が経過した。
島に橋がつながったことにより、島からの救急搬送や妊婦の出産など、医療面では島民に安心感をもたらし、物資の流通や日々の生活面でも利便性は大きく向上した。
一方で、人の往来が多くなったことによる島内の治安の問題や人口の流出は今もなお深刻な課題として横たわったままだ。
人口が減り続けることで島内の少子高齢化は年々深刻化を増している。さらに、島の文化や歴史の継承などにも影響を及ぼし、島の神事をつかさどるツカサンマも長期間不在が続いた。
しかし、1日には6年ぶりに3人の新しいツカサンマが誕生。島に明るいニュースをもたらした。
池間大橋開通後、宮古では来間大橋、伊良部大橋が開通した。開通後はどの離島も同じような悩みを抱えつつ、その恩恵を最大限に生かした島の活性化を目指している。