県農林漁業賞 3組が受賞
農業、畜産振興に貢献/与那覇さん、友利・喜屋武さん夫妻
2021年度県農林漁業賞の受賞報告会が14日、市役所で行われた。農産部門の与那覇武さん、園芸部門の友利研一・優子さん夫妻、畜産部門の喜屋武隆・絢子さん夫妻が座喜味一幸市長に受賞の喜びと抱負を語った。座喜味市長は「農業所得の向上が宮古経済の活性化につながる。受賞を機に、地域振興に力をいただければ」と話した。
同賞は、1977年度に創設され今回で45回目。県内の農林漁業の経営改善と、技術の近代化および協業化の推進などで成果をあげ、農林漁家の模範となる実績を収めて、特に優秀なものを選定し表彰する。県は20年度までに、個人258件、集団129件を表彰した。宮古地区は54件。
与那覇さんは、サトウキビ栽培とサトウキビ作業受託などで、高齢者の労働負担軽減や作業効率化に貢献したことや、オぺレーターの技術向上支援のほか、農作業事故防止に尽力したことが評価された。「若い人たちを育てていきたい。機械化を推進し、農業に対する偏見を払拭(ふっしょく)していきたい」と目標を語った。
友利夫妻はメロンや野菜類を栽培している。共に指導農業士として、県内外の学生に農業体験学習や新規就農希望研修などの教育的活動や担い手の育成に尽力したことや、天敵利用技術の確立などが認められた。「これまで培った栽培技術や農業経営のスキルアップのための自己研さんを重ねていく」と決意を述べた。
喜屋武夫妻は肉用牛繁殖に取り組んでいる。個体管理の記録や記帳の徹底などでIT技術を導入し、指導農業士として若手農家の研修受け入れや先進地視察の実施など、担い手育成などが評価された。「牛舎から出る牛ふんを活用してもらい、明るいもうかる農業へ連携しながら頑張っていきたい」と意欲を示した。
これに対し座喜味市長は「農業振興への大胆な財政投資は必要。現場のいろいろな意見を聞きながら、行政としてもしっかりとサポートしていきたい」と述べた。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から表彰式は行わず、宮古農林水産振興センターで砂川喜信所長が賞状を伝達した。