癒やし系の赤ちゃん誕生/県宮古合同庁舎
「くるみ」「玲桜」と命名
県宮古合同庁舎の駐車場で1日、飼われていた小型のヤギの「パンダ」から2匹の子ヤギが誕生した。今回の出産が難産だったこともあり、母ヤギは出産後に天国へと旅だった。しかし、「パンダ」を世話してきた宮古農林水産振興センター農林水産整備課の全職員が母親代わりとなって2匹に愛情を注ぎながら大切に育てている。職員からは「(ウクライナ問題など)暗いニュースが多い中で、2匹は私たちの癒やしになってくれている」と話した。
生まれたのは、メスの「くるみ」とオス「玲桜(レオ)」。2匹とも誕生直後は危険な状態で、特に「くるみ」は息をしていなかったことから、心臓マッサージなどを行って息を吹き返したという。
母ヤギ、出産後天国へ/職員が母親代わりに
同課の職員によると、母ヤギは2月28日の午後9時ごろに破水したと思われ、一夜明けた1日の午前9時ごろに、なかなか生まれてこないことから獣医を呼んで2匹を取り上げた。
しかし、体が小さかった「パンダ」は、出産で体力を使い果たし、2匹を産んだあとに息を引き取った。
母親からの愛情を受けられない2匹の子ヤギだが、同課の職員が全員で子牛用のミルクを与えたり、体を冷やさないように服を着せたりと小まめに世話をしながら、成長を見守っている。
今では、2匹とも用意したミルクを一気に飲み干すほど元気いっぱい。一つ一つの動作がとてもかわいい子ヤギの姿は同課の職員だけでなく、誕生を聞きつけて見学に訪れる園児たちのアイドルとなっている。
母ヤギの「パンダ」が出産前に、大きなおなかを抱えて歩きにくそうにしていた様子も見ていた小学5年生の女の子は「お母さんヤギも子ヤギも元気だと思っていたのにショック」と、寂しそうに話した。
それでも「こうして、周りの大人が優しい気持ちで育ててくれてうれしい。頑張って元気に育ててほしい。みんながこんな風に優しい気持ちになれば世界はきっと平和になると思う」と言葉に力を込めた。