キビ支援事業予算 2度目提案も認めず
削除、修正案を可決
21年度補正予算採決で/市議会3月定例会
市議会(上地廣敏議長)3月定例会は10日、本会議を開き、2021年度補正予算案の採決を行った。経済工務委員会で可決された、21年度一般会計補正予算案歳出からサトウキビ収穫管理支援事業の予算を削除する修正案について採決を行った結果、賛成多数で修正案が本会議でも可決された。同予算案は21年度当初予算計上時にも削除されていて、2度目の提案でも削除される結果となった。
補正予算の修正案に対する討論では、野党の新里匠氏と山里雅彦氏が賛成の立場から、与党の長崎富夫氏と山下誠氏は反対の立場からそれぞれ発言した。
新里氏は今回のサトウキビ農家支援策について「当局は農家の高齢化、資材高騰に対する支援で、生産意欲向上が必要ということを理由に挙げているが、トン当たり500円の支給がこれを解決するという理由をまったく言っていない」と指摘。「私は、今補助率が低い農薬や肥料への支援こそが農家の生産量アップにつながり、所得向上につながると思っている」と、収穫量に対する支援よりも農薬や肥料への補助率を上げるべきとの考えを示した。
それに対し長崎氏は「肥料や農薬はその年によって価格の変動もある。高騰があれば精査して補正などで対応することも可能」と主張。「市の基幹産業であるサトウキビを支援し、その成果を検証して幅の広い農業政策を当局にはやってもらいたい」と訴えた。
山里氏は農薬や肥料の価格に変動があることは認めながらも「今補助率が非常に低い。補助率をアップすることで生産基盤の強化を図ることが、市長の訴える農家の経営安定、所得向上につながると思う」との考えを示した。
山下氏は農薬や肥料に対する補助率アップについて、「農家も求めていると思うが、仮に50%にするとした場合、財源がとても足りない」とした上で「生産コストが上がっている今、500円を補助して生産意欲の向上を図ることはとても良い政策」として同予算を認めるべきと主張した。
賛否が分かれたことから挙手による採決を行った結果、賛成12、反対10の賛成多数で修正案が可決された。
議会終了後座喜味市長は今回の結果について「非常に残念。大変良い事業なのでできれば同意をいただきたかったと思うが、本予算(新年度予算)でも上げていて、ぜひ通してもらいたいと思っているので、細かいコメントは控えたい」と述べるにとどめた。
特別会計の補正予算案はいずれも原案通り可決された。