反対噴出も原案可決/土地改良区総代会
新理事選出で荒れる/撤回動議受け付けず
宮古土地改良区の第33回通常総代会が24日、JAおきなわ宮古地区本部で開かれ、事業経過報告、決算、事業計画案、予算案などが審議された。焦点となっていた新役員選出は反対意見が噴出したが、原案通り可決された。新型コロナウイルス感染予防対策で総代会への出席を制限し、事前に過半数の書面議決が集まっていたことで、会場では賛成少数だったが結局、可決された。選任議案の撤回を求める動議が提出されたが、受け付けられなかった。
宮古土地改良区の組合員は、ほ場整備地区内(計画含む)に畑を持つ人や地区内で農業に従事し生計を立てている人で約9000人いる。
理事は14人(員外含む)。理事会は理事長、副理事長、専務理事、理事11人で構成。理事の任期も4年。今回の任期満了は4月4日。理事長職は下地敏彦前市長が贈収賄事件で逮捕され辞任して以降、不在の状況が続いている。
総代会に提案された理事候補は第1選任区(平良、伊良部)は仲里長造氏、池村香成氏、前川尚誼氏、松原清光氏、第2(城辺)は島尻孝雄氏、照屋秀雄氏、岡村幸男氏、饒平名健二氏、第3(下地)は平良哲則氏、石嶺明男氏、第4(上野)は与那覇国洋氏、砂川嚴氏、員外が多良間雅三氏、宮国高宣氏。監事は池間勉氏、國仲清正氏、上地昭人氏。
総代会には総代103人中、会場出席が38人、61人が書面議決の形で出席した。
冒頭から総代が役員(理事・監事)の選任議案の白紙撤回を求める動議提出の動きを見せるなど波乱含みで始まった。総代は、伊川秀樹副市長が理事に立候補の姿勢を見せていたのに受け付けなかった理事候補選任の不透明さを指摘し、議案の撤回を求めた。
これに対し、事務局は副市長が求めていた面談を断ったことを認めた上で、副市長が理事に立候補したいと表明したのは「理事会提出の議案、総代会提出の議案が出来上がった後だった」などと釈明した。複数の現職公務員が理事候補になっているとの指摘に対しては「3月31日で定年退職する」と説明した。
総代が提出した動議については「定款で重要事項は付議できないことになっている」と受け付けなかった。
総代会では議案に反対する意見、声などが盛んに上がったが、賛成意見は出なかった。採決では会場では賛成少数だったが、書面議決で56人が賛成しており可決された。
総代の一人は「書面では反対しづらい。想定の範囲だが残念な結果だ」と話した。理事の任期が始まる4月5日以降に、新しい理事で互選し、理事長、副理事長、専務理事を選ぶ。