市長「再議」の意向
キビ支援 本会議も削除/野党修正案、議長採決で可決
座喜味一幸市長が提案したキビ収穫トン当たり500円を給付する2022年度一般会計予算のサトウキビ収穫管理支援事業費とその関連予算1億7500万円が、25日の市議会(上地廣敏議長)3月定例会最終本会議で削除された。削除する修正案が野党から出され、採決では可否同数となったが、上地廣敏議長の裁決で可決した。閉会後、座喜味市長は再度、一般会計予算の審議を求める「再議」に付す考えを表明した。
最終本会議では与党側が農薬などの補助率を30%に統一し、その費用に3422万円を充てる修正案を提案。その後、野党はキビ支援金の1億7500万円を削除し、さらに与党案を盛り込んだ修正案を提案した。そのやりとりで午後3時過ぎまでかかった。修正案は先に野党案を採決。中立会派の砂川和也氏が退席し、議場では22人で採決。11対11の可否同数となったが、上地議長の裁決で可決した。その後、与党案、前日の予算決算委員会での修正案を可決した。
修正案3本が採決されるという異例の事態となったが、野党案が与党案を飲み込む形となり、一般会計予算からキビ支援金が削除された。与党側は農薬補助率をアップすることで、野党側の懐柔を図ったが実らなかった。
座喜味市長は「サトウキビの支援費というのは重要な政策だと思っている。議会で今回も否決されたのは残念。議会で修正されているが、本来は議案提案権、執行権というのは当局にある。議会が頻繁に修正を掛けるのはいかがなものか。もう一度、原案を承認いただけるように検討する。与党が提案した補助率アップが可決された部分については評価している。サトウキビ支援費は大きな効果のある事業なので、原案が可決できるように再議も含めて検討したい」と述べた。
さらに「キビ支援事業は公約としてやってきた。選挙の際も評価を受けた事業。期待の声は多い。与野党の政局が、否決という結果になっている。野党の皆さんも現場に行くと農家の声があって、本心では理解している部分があるのではないか」と分析した。