「候補DMO」登録認定/宮古島観光協
観光地経営のけん引役/吉井会長「市民の満足度高める」
宮古島観光協会(吉井良介会長)は8日、市役所で会見を開き、観光庁から「観光地域づくり候補法人(候補DMO)」として登録認定されたと発表した。DMOは「観光地経営」の視点に立った観光地づくりのけん引役を担う。農業や漁業など第1次産業などと連携し、観光を通して豊かな島づくりを目指す。吉井会長は「観光客のみならず、市民の満足度を高める活動を展開していきたい」と抱負を述べた。
「候補DMO」として登録認定されたことで、観光協会の設置目的を従来の「誘客」から、「観光を通じて島を豊かにする観光地経営」に変更する。
吉井会長らは会見前に、市役所に座喜味一幸市長を訪ね、「持続可能な観光地域づくりを目指していきたい」と話した。
DMOは「広域連携」「地域連携」「地域」の3区分があり、宮古島観光協会は「地域DMO」で申請した。
それによると、観光の第1ターゲット層を「自然環境の保全・再生、島の持続性に対する感度の高い首都圏の20~30代女性」に設定。第2は「首都圏在住の50~60代の夫婦」、第3は「国内の修学旅行と学生・実業団等のスポーツ合宿」、第4は「東アジアの中間層」としている。
市が推進する「エコアイランド宮古島」構想のコンセプトと同じ「千年先の、未来へ。」を掲げ、観光を通じた「持続可能な宮古島」の実現を目指す。
会見で吉井会長は「コロナ禍以前は、オーバーツーリズムなど、観光に対する市民のイメージ度はあまり良くなかった」と指摘。「(『DMO候補』登録認定されたことで)観光は良いものだという実感を持たせるような対策をしていかなければならない」と述べた。
吉井会長は、具体的な例として「観光客が来ることによって島が汚れるのではなく、逆にきれいになる。環境が良くなっていくという仕組みやルールづくりが大事になる」と説明した。
宮古島観光協会理事・戦略委員会の小堀健一委員長は、今後「登録DMO」に向けた取り組みとして▽データを収集・分析し経営に生かす▽財源を確保するために自主事業などを実施する│と強調。「観光庁から細かな要件について定期的な審査を受ける。このことから、活動を続ける動機付けになる」と述べ、当事者意識が重要であるとの考えを示した。
市観光商工スポーツ部の上地成人部長は「オーバーツーリズムなどで市民から『宮古は住みにくくなった』という声があった。住民と連携して取り組むことは素晴らしい。不法投棄の減少にもつながるのではないか」と期待した。