「おいしい水」安定供給/袖山浄水場
硬度低減化施設を更新/機器入れ替え 事業費22億6500万円
宮古島市は水道水を供給する市平良西里(袖山)の袖山浄水場の硬度低減化施設の機器を更新する。施設内にある硬度処理反応塔(ペレットリアクター)などの機器を2024年度までに順次入れ替える。事業費は22億6500万円で昨年度から今年度の1期工事は6億1700万円を計上している。防衛省の補助金を使い、補助率は3分の2。残りは起債で対応する。12日、1期工事の安全祈願祭が同施設であり、座喜味一幸市長らが無事故・無災害を祈願した。
1999年にできた硬度低減化施設は供用開始から23年が経過している。耐用年数は15年といわれているが、7年超過している。
島内では水道水をすべて地下水に頼っている。供用開始前、地下水は国の水質基準1㍑当たり300㍉㌘に迫る硬度だった。硬度を左右するカルシウムなど複数の成分を除去することで低減化を図ろうと実験や事前協議を経て99年に完成した。
国が定める「おいしい水」の硬度要件は1㍑当たり10~100㍉㌘。以前はやかんなどに石灰が付着したり、お茶やコーヒーがおいしくないとの苦情があったという。
機器は4基あるが、1基は予備で、稼働しているのは3基。1基の処理能力は1日約1万㌧。3基で最大2万9000㌧が処理できる。現在、水道水の1日平均供給量は約2万5000㌧で推移している。集合住宅やホテル等の宿泊施設の建設で近年需要が増えているが、市では需要のピークを2026年の2万6800㌧と予測している。そのため、機器増設はせず、4基で対応できるとしている。
機器製作を昨年度から開始しており、今年度から入れ替える。入れ替えるごとに順次稼働し、24年度中に4基の入れ替えを終える見通し。