フードバンク寄付1万9000個/21年度市社協まとめ
前年度比べ2倍以上/食品ロス解消、徐々に浸透
市社会福祉協議会が進めるフードバンク事業「んまんま」への食品寄付が前年度比で2倍以上となっていることが、同協議会のまとめで分かった。2021年度に寄付された食品数は1万9309個で、前年の6727個を約1万2600個上回った。この食品のほとんどが必要とする家庭に配布された。フードボックスを設置する企業も広がりを見せており、食品の寄付文化が根付き始めている。市社協の担当者は「普段の暮らしを支え合うコミュニティーが形成されてきていると思う」と話した。
市社協では事業が継続するにつれて、フードバンク事業に対する理解と協力が広がっていると分析。個人や職員から募った食品をまとめて寄付する企業もあるという。
事業の認知度と比例して実績も右肩上がりで推移している。開始初年度の19年度の食品寄付は6カ月の合計で699個。このうち698個を必要な世帯に配布した。20年度は6727個の寄付があり、6617個を配布。21年度は1万9309個のうち1万7267個を配布した。
利用者は一人親世帯が最も多く約3割。続いて単身世帯、高齢者世帯、精神障がい児(者)を抱える世帯、多子世帯などとなっている。
市社協の担当者は「少しずつだがフードバンクへの寄付が広がっている。市民の皆さんの支援に感謝する。利用者へは社協だけでなく行政なども交えて必要な支援もしている。貧困問題などはすぐに解決できるものではないが継続して取り組んでいきたい」と話した。
同事業は19年10月から開始。翌年には日本郵便沖縄支社が市内の郵便局にフードボックスを設置したことで事業が広がりを見せた。その後も沖縄銀行宮古支店やホテルなどがフードボックスを設置している。