養成修了者の活躍期待/宮古上布保持団体
今年度6人が研修開始/伝承者講習閉・開講式
宮古上布保持団体(新里玲子代表)は27日、市役所で2021年度伝承者養成講習の閉講式を行った。新里代表が図案・手くくり講習を修了した松尾由樹さんに修了証を授与し、今後の活躍に期待を込めた。引き続き22年度の開講式も行われ、研修生6人が今後の講習に向けて気持ちを引き締めた。
同団体は「保持団体認定」で国の重要無形文化財に指定されている。同講習は、重要無形文化財の指定の要件の技を保存・伝承し、その発展に寄与することを目的としている。
閉講式の冒頭、新里代表は「私たちは伝統の技をつなぐという大きな役割を担っている。しかし、身に付けた技がなかなか生かされないという現状もあるが、意思あるところに道は開けるので、頑張れば何とか上布が織れる環境は生まれてくる。この技術を未来につないでいくために頑張ろう」とあいさつした。
修了生代表あいさつで、松尾さんは「この講習で高い技術を学べて良かった。支えてくれた講師や行政の支援に感謝している」と話した。
その後に行われた開講式で、市教育委員会生涯学習振興課の梶原健次課長は「大切な地域の伝承技術を長く伝え、裾野を広げることは素晴らしいこと。宮古上布を継承していくため皆さんが習得した技術は人間国宝に値すると思う。ぜひ、受講を通して多くのことを学んでほしい」と呼び掛けた。
22年度の講座名と研修生は次の皆さん。(敬称略) 図案・手くくり=久貝偉久恵、与那嶺ひとみ、高良恵、小禄有美子▽染め=与那嶺ひとみ、高良恵▽織り=平良享子、松尾由樹