夏場向け急場しのぎ/自家用有償運送
タクシー不足に対応/市公共交通会議で合意
クルーズ船寄港時以外も
新型コロナウイルス感染拡大の影響で大きく落ち込んだ入域観光客が急激に戻りつつある中、島内のタクシーやレンタカー不足が顕著になっているが、市は自家用車(白ナンバー)でも有償運送ができる「自家用有償旅客運送制度」を外国クルーズ船寄港時以外にも拡大し、市街地で乗り合いバスを運行する。8日にJTAドーム宮古島で開かれた市地域公共交通会議で関係機関が合意した。
また、会議では宮古空港から市街地への足を確保するため、同区間に路線を持つ宮古協栄バスが、運行ダイヤを2本増発することも報告された。指摘されている「2次交通」不足に苦肉の策を講じる形だ。 自家用有償旅客運送制度は2018年に導入された。コロナ前はクルーズ船寄港があり、稼働実績があるが、その後は稼働していなかった。運行エリアは市街地の半径2・5㌔以内で、基本的に誰でも利用でき、料金は1人300円。
今年のゴールデンウイークから国内観光客が急激に戻り始め、タクシー乗務員の人手不足やレンタカーの台数減少で交通手段が窮地に追い込まれている。観光客の急増が、市民の利用にも影響を及ぼし、予約しても配車までに長時間を要している。
市と受託する宮古タクシー事業協同組合など関係機関が協議し、これまで「クルーズ船寄港時のみ」と規定していた運行仕様書に「一般旅客自動車運送事業者(バス、タクシー)では対応できないなど、交通手段の確保を図ることが必要な事情がある場合にも運行する」と付け加えた。会議では追加に同意した上で、抜本的な解決策も検討していくべきだとの意見もあった。