「民意が作用した選挙」/参院沖縄選挙区
問題解決に取り組む/伊波氏 当選から一夜明け
【那覇支社】第26回参議院議員通常選挙の投開票から一夜が明けた11日、沖縄選挙区で当選を決めた伊波洋一氏(70)=無所属=は安堵(あんど)の表情で、宮古・八重山マスコミ各社のインタビューに応じた。伊波氏は27万4235票を獲得し、次点の古謝玄太氏(38)=自民公認、公明推薦=に2888票の僅差まで迫られたが、ベテラン議員の底力を発揮し、2期目の再選を決めている。
-当選後の感想を
1期目の選挙のようにはいかなかったが、全県各支部で(得票を)カバーしてくれたと思う。相手候補は政府要人がバックアップする強い相手だった。
「オール沖縄」の皆さんの取り組みが奏功し「県民民意」が強く作用した選挙だったと感じている。
-全県選挙で当選した意義について
沖縄の代表として国政に立ち、諸問題の解決や、離島を含む各自治体から要望のある懸案課題について、具体的な解決方策を国に働き掛け、その結び目となることができる。
-コロナ対策と県経済の復興について
PCR検査拡充など、1期目で国に働き掛けたものもある。感染対策を強化しつつ、観光回復を図り、経済対策を強化することは重要な課題だ。外国航路の乗り入れがある宮古島などは、新型コロナ感染症対策に万全を期して、観光、経済の再生を目指していければと思う。
-離島振興について
観光、農業、畜産業、水産業振興などは、どれも重要な島を支える産業だ。新沖縄振興法の中でも、主要な要素が法律の趣旨にうたわれているので、具体的なビジョンを描きながら、離島の人たちの意見を十分に聞いて、国に対して求めていきたいと思う。鮮度を保つための機器導入など、具体的な取り組みを行いたい。
-先島への陸自配備と尖閣諸島問題
陸自配備と尖閣問題を絡めて考えるのは危険だ。先島の陸自配備は、島自体が標的にしかならない。国際的にも違法行為に当たる。国民保護法の問題もあるが、有事になる以前に、住民を巻き込む恐れのある戦争自体が違法な行為である。そこに住民被害が断じてあってはならない。
-普天間飛行場の辺野古移設について
2800メートルの滑走路を有する広大な基地であり、「辺野古新基地」の建設は、軍艦を着岸する別目的など、明らかに代替案にはなり得ない。軟弱地盤の改良が成り立つかという点でも、安全性が担保されるものではない。国の方針自体が間違っている。
-参院選と秋の県知事選挙への認識
参院選での勝利をつなぐことができて大変良かったと安堵している。県知事選挙でも、オール沖縄勢力を維持し、絶対に負けるわけにはいかない選挙だ。