25年の再開目指す/クルマエビ養殖事業
今後のスケジュール確認/組合長「一日も早く」
国、県、市、漁協意見交換会
養殖クルマエビ140万匹がPAVウイルスによって全滅したことを受け、国や県、市、宮古島漁協による意見交換会が13日、市役所で開かれた。事業再開に向けて情報共有と今後のスケジュールなどを確認した。事業再開は最短で2025年になる見込み。
意見交換会には内閣府沖縄振興局と県漁港漁場課の担当者をはじめ、市の砂川朗農林水産部長、宮古島漁協の栗山弘嗣組合長らが参加。会議前には現地視察も行われた。
栗山組合長は「クルマエビ養殖は黒字を出しており、漁協の運営がだいぶ助かっている。一日も早く再開したい」と訴えた。
沖縄振興局の正岡克洋さんは「クルマエビは全国的に見てもかなりの出荷量になる。全国に供給するためにも、また生産できるようになってほしい。水産庁と話をしながら支援していきたい」と語った。
市側は今年度予算に調査費として、1700万円を計上していることを説明。この調査によって、漏水対策の工事規模が明らかになり、3面ある貯水池を1面ずつ3年間かけて整備するか、1年ですべて整備するかなどを判断する。
23年度は基本設計と実施設計を行い、24年度に着工する予定。25年度の夏から養殖を再開し、年末年始には出荷できる見通しとなる。
意見交換会後、栗山組合長は「良い道筋ができて少しほっとしている。1面だけでは赤字になるので、2面同時に工事していただければ」と語った。
PAV感染は同池で2016年に初めて確認され、その後は毎年確認されている。21年は生育途中の10月に確認されて広がったことから、1993年の養殖開始以来、初めて出荷ゼロになった。