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社会・全般
2022年7月21日(木)9:00

「一歩間違えば大惨事」/宮古島海保

福本部長が会見で謝罪/全国初事案、巡視船の実弾誤射

 

実弾誤射について謝罪する福本部長(左)=20日、宮古島海上保安部

実弾誤射について謝罪する福本部長(左)=20日、宮古島海上保安部

宮古島海上保安部所属の巡視船「しもじ」が陸上側に20㍉機関砲の実弾8発を誤射したことを受け、同部は20日、緊急記者会見を開き、船長の誤認識など人為的ミスの可能性が高いとして、市民らに謝罪した。福本拓也部長は「一歩間違えば大変な惨事を招く事態になりかねなかった。深い反省と心からの謝罪の言葉を述べたい」と頭を下げた。実弾誤射は海上保安庁として全国初の事案という。

人的被害や民間施設への被害は確認されていないが、巡視船の近くに駐車していた職員の車両など計3台に被害が確認された。機関砲の部品が誤射によって飛び散った際につけられたとみられる。

実弾誤射は19日午前11時10分ごろ、市伊良部池間添の長山港で発生した。近くには交通量が多い県道平良下地島空港線が走っているほか、民間施設なども点在している。

職員7人は翌日に控えていた洋上射撃訓練に備え、午前8時30分ごろから巡視船に搭載する機関砲を点検した後、給弾作業を実施した。

船長の判断で急きょ、機関砲の取り扱い訓練を行ったが、実弾が発射できる状態のままだった。訓練の際には弾薬箱との連結を切る必要があったが、船長からの明確な指示がなかったため、実弾8発が誤って発射されたという。

福本部長は「給弾作業を行った職員と、船橋にいた船長との間での意思の不疎通があり、認識の違いとなった」と説明した。

同部は緊急の再発防止策として、20㍉機関砲の取り扱い訓練および洋上射撃訓練を全面的に中止する。

機関砲の砲口には金属製の栓が装着されていたが、実弾を発射したことで損壊。被害があった車両付近で残骸が見つかっている。車両にはフロントガラスにひび、ボディに傷があった。

砲口を陸上側に向けたことについては、船体右側と正面に別の巡視船が停泊していたため、人けのない陸上を選択したという。

福本部長は「大口径の武器を8発も誤発射してしまうという前代未聞の事態を引き起こした。どのような言い訳も弁解も通用するものではない」と語った。


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