コロナ感染者、ピークは8月中旬見込む/宮古保健所の木村所長
3カ月で8000~1万人と推察/「BA・5」が8割以上に
新型コロナウイルスの感染拡大が続く宮古島市。現在の市内における感染状況や今後の見通しについて21日、宮古保健所の木村太一所長が宮古毎日新聞社の取材に応えた。木村所長は市内ではオミクロン株の「BA・5」が拡大し、8割以上が「BA・5」になっていると分析。今後の予想は難しいとしながらもピークは8月中旬ごろとの見解を示した。感染者数については同所管内でのこれまでの感染状況を考慮し、7月から9月末までの3カ月間で8000~1万人と推察されると説明した。
現在の状況として、1週間で1100人を超える患者が発生。人口10万人当たりでは2015人を超えた。最近までは県平均(人口10万人当たり1636人)より低かったが、今では県平均を大きく超える状況となっている。
木村所長は「BA・5への置き換わりが進んでいる。7月の上旬は県の報告ではほぼ50%、現在は8割以上と考えられる」と話し「宮古では4~6月末までにも大きな波があった。その波が下げ止まる前に今回の感染拡大が発生した。ベースラインが高い状況の上に、1・3~1・5倍くらいの増加率でここ4週間は増えている。人口10万人当たりで見れば米国の6倍の患者がいる」と説明した。
今回の流行の特徴については「年齢層は幅広く市中感染を反映している。4~6月の時と違うのは子供の割合が低くなっていること。今回は大人が感染している」と話し「感染経路については疫学調査の縮小などもあり何とも言えないが、宮古は家庭内が1番多く、2番目は会食。会食での感染は県平均は約16%だが、宮古は約21%と多い。家庭内感染は難しい面もあるが、会食は対策もできる」と強調した。
また「今回は医療従事者の感染者が多いと感じる。今まではどの波においても医療従事者はワクチンで守られていたが、今はそうではない状況になっていると思われる」と話した。
感染拡大状況を踏まえ市民に対し「陽性になった場合どのように療養するのかなど調べておいてほしい。地震などの災害と同じで、支援が来るまでは自助的にしのがなければいけない場合もある」と訴えるとともに「比較的軽症が多いという分類だが感染者に話を聞くと普通の風邪とは全然違う。倦怠(けんたい)感などの後遺症が出る人もいる。当然だがかからないほうが良い。それぞれが感染防止対策を徹底してほしい」と呼び掛けた。