事実上の選挙戦へ加速/県知事選
宮古での支持構図混迷/注目は下地氏の獲得票
8月25日告示、9月11日投開票の沖縄県知事選挙に向けては、2期目を目指す現職の玉城デニー氏(62)、新人で前宜野湾市長の佐喜真淳氏(57)、前衆院議員の下地幹郎氏(60)の3氏が6日までに出馬表明を終えたことで今後、事実上の選挙戦が一気に加速していく。宮古においては、8年前の知事選にも立候補した地元出身の下地氏が出馬を表明したことで、支持構図が混迷化している。
7月の参議院選挙では、玉城知事を支える「オール沖縄」勢力が支援する候補が、自民党新人候補をわずか2888票差で退けて激戦を制した。
その選挙戦で保守地盤の宮古では、宮古島にルーツがあることを前面に押し出した自民新人候補がオール沖縄勢力の候補に4000票差を付けた。
県内でもこれほどの票差が付いた選挙区はないだけに、今回の知事選でも宮古の動向は注目を集めている。
さらに、今回は地元出身の下地氏が出馬を表明したことで注目の度合いが高まった。
下地氏は8年前の知事選で敗れはしたものの、勝利した翁長雄志氏、当時現職だった仲井真弘多氏を上回る9275票を獲得して大きなインパクトを残した。
今回は、当時に比べると支持する勢力の力強さはないが「地元出身」というアピールポイントは、参院選の結果からも効果的であることから、有権者意識に注目が集まる。
今回の知事選では座喜味一幸市政を支える保革で構成する「ワンチームみゃーく」の内部は、玉城支持で一枚岩になりきれていない。
7月の参院選でも内部の保守系市議は対立する保守候補の支持に回って選挙戦を展開。今回の知事選も足並みの合った選挙戦となることは難しそうだ。
一方の市政野党の保守系も盤石とは言い難い。歯車の合った戦術で保守票を最大限に佐喜真氏に注ぎ込むことが理想だが、参院選でも露呈した野党会派内部のしこりや距離感は残ったままだ。
さらに、下地氏が出馬を表明したことを受け、内部にはその対応に苦慮する現職市議もいることから、今後の動きに注目が集まる。
その下地氏だが、現状では8年前ほどの選挙態勢の構築はできていない。その課題をどう克服するかが今回の選挙のカギを握りそうだ。
それでもアピールポイントである「地元出身」を前面に押し出した選挙戦が基本となり、今後は「今こそ、宮古島から県知事を」を旗印に訴えていくとしている。
そうした背景から今後、本格的な選挙戦へと突入していく中、宮古においては下地氏の動向と8年前に獲得した9000票超の支持票がどう動くかが最大の関心事となっている。