「ありがとう伊良部庁舎」/解体惜しみ「お別れ会」
約40年、町民生活支える/旧町職員OBら
解体が進んでいる旧市役所伊良部庁舎で8日、旧伊良部町職員のOBらが「お別れ会」を行った。参加者らは伊良部町時代の思い出などを語り合い、約40年にわたり町民の生活を支えた庁舎に別れを告げた。解体後については、伊良部自治会や伊良部地域づくり協議会、市老人クラブ連合会伊良部支部らが市民の憩いと集いの場、心のよりどころとして公園整備をするよう市へ配慮を求めている。
旧伊良部庁舎は1980年に建設。81年から共用開始された。翌82年にはそれまでの伊良部村から伊良部町となり、伊良部架橋の要請や下地島空港の活用などが大きな事業の中心だった。
2005年には5市町村が合併し宮古島市が誕生。その後は伊良部支所として存続した。行政だけでなく、サシバの渡りの季節には飛来調査の場所としても活用された。
しかし、庁舎と議会棟の建物はすでに40年以上が経過し、かなり老朽化が進んでいることから解体することが決定。本格的な解体工事は6月下旬から始まっており、工期は9月30日までとなっている。解体費用は1億782万7000円。
この日はOBや解体工事の業者などが参加しお別れ会を実施。それぞれが庁舎完成時や伊良部町時代の思い出について話し合い懐かしんだ。
会を企画した中村雅弘さんは「この庁舎が完成し、翌年には町政施行となった。私も約30年ここで仕事をしてきた。伊良部高校の設立などにも取り組んできた。合併しても伊良部支所として残ってきたが解体ということでOBとしては寂しく思う。集まったみんなで思い出を語り合いたい」と話した。
また、跡地利用については「地域住民は市へ跡地は公園にしてほしいという要請をしている。これまで町民の生活を支えた場所だった。これからは公園となり、地域住民や市民の憩いの場になってくれればうれしい」と展望を語った。