緊急支援費など可決/対策事業に3億2000万円
肥料などの高騰受け計上/市議会臨時会
市議会(上地廣敏議長)の臨時会が9日、市議会議場で行われ、市当局が提案した肥料や農薬、施設園芸資材などの高騰を受けた緊急対策支援事業費計3億2431万円などを盛り込んだ2022年度一般会計補正予算案(総額約3億5190万円)のほか、マティダ市民劇場の舞台設備等機能強化工事請負契約など予算議案1件、議決議案2件の計3件を可決した。
今回の補正予算の主な歳出としては、肥料や農薬、施設園芸資材の緊急対策支援として2億3793万円、畜産飼料高騰対策事業に3979万円、水産業への原油価格・物価高騰支援事業に4659万円の計3億2431万円を緊急対策支援事業費として計上。
そのほか、新型コロナウイルス感染症対策事業として抗原検査キット購入の補助金として323万円などが盛り込まれている。
肥料や農薬、施設園芸資材高騰緊急対策支援事業では肥料の価格高騰を受け、高騰した分を前年度に農家が購入した実績を上限に補助するもの。
畜産飼料高騰対策事業についての当局側の説明では、原油価格の高騰などで収益減が見込まれる中で市内で飼養されている牛、ヤギ、ニワトリに対する支援を行うとしている。
具体的には、繁殖牛で子牛、肥育牛、ニワトリ、ヤギなどの五つの項目で支援することとし、現状の積算では繁殖牛5916頭、子牛3577頭、肥育牛295頭、ニワトリで2万5900羽、ヤギで771頭となっている。
それぞれの補助金の単価は、繁殖牛が1頭当たり1500円、子牛は4800円、肥育牛は1万2200円を基準額として支援するとしている。
そのほか、マティダ市民劇場の機能強化整備工事については複数の議員が今回の工事内容や今後の整備について質問した。
今回の整備について当局は、照明機器をLEDなどの高効率照明にし高機能にしていくことで、これまでのハロゲンライトが抱えていた高熱を発する課題が克服されて、より安全性が保たれるほか、施設全体の消費電力の抑制にもつながることが説明された。
また、今後の整備については「天井などの耐震改修、客席の取り換え、舞台装置の改修などの機器の充実を図りたい。しかし、多額の予算を必要とする工事事業になるので、財源をしっかり確保しながら進めていきたい」との見解を示した。
そのほか、漏水修理後の路面復旧箇所が大雨の影響により陥没し、そこを通行した車両のフロントバンパー等が損傷したことへの損害賠償額を41万4400円とする議決議案については、多くの市議から再発防止策の構築を求める声が相次ぎ、当局側も「工事のマニュアルが必要であることは痛感している。今回の事故を機にしっかり取り組みたい」と述べた。