土地改良事業採択を要請/伊良皆村長
県「間に合うよう調整」
【那覇支社】多良間村の伊良皆光夫村長は26日、県庁に照屋義実副知事を訪ね、多良間村での「水あり農業」を早期に実現するため、「多良間地区の国営土地改良事業全体実施設計」を採択するよう強く要請した。照屋副知事は「多良間村民の悲願だと思う。切実なニーズがあると考えている。今月中に間に合うよう調整していきたい」と応じた。
多良間地区での国営土地改良事業は、島に河川がなく農業用水が主として降雨に依存している状況から脱却するため、農業用水の確保とかんがい施設の整備などを行うもの。
かん水作業の省力化だけでなく、生産量の安定と増加、高収益作物への転換が見込まれ、すでに行われている国の地区調査は、今年度で終了するという。
事業では、集水池5カ所、揚水機場(ポンプ場)、管水路、ファームポンドなどを整備する予定。各集水池からポンプで高台のファームポンドへ管水路で送水し、畑に水を供給する。
要請文では、「多良間村の農業生産性の向上および農業経営の安定化を図るため、多良間村を対象とするかんがい排水事業の早期実現のため、国の地区調査結果を基とした、2023年度からの全体実施設計の採択を強く要望する」とした。
伊良皆村長は要請後、記者団に対し「国の(方針も)ほぼ決まっていて、地元の意向調査で県の回答(採択)を国も待っている。紆余(うよ)曲折はあったが、ようやく23年度から全体実施設計に入っていくという懸案が実りつつある。必ず、県の採択をお願いしたいところだ」と強調した。
同事業では、国営事業費が約240億円、県・村営事業費は約90億円を予定している。要請には、宮古島市区選出の國仲昌二県議(立憲おきなわ)と亀濱玲子県政策参与も同席した。