市議24人支持構図 佐喜真氏17人、玉城氏7人/県知事選
市政与党、一枚岩なれず/下地氏ゼロも一定の支持層
25日に告示された県知事選挙には、地元出身の新人で前衆院議員の下地幹郎氏(61)、同じく新人で前宜野湾市長の佐喜真淳氏(58)=自民・公明推薦=、現職の玉城デニー氏(62)=立憲民主・共産・れいわ新選組・社民・社大・にぬふぁぶし推薦=が立候補。3氏に対する宮古島市議24人の支持構図は、佐喜真氏17人、玉城氏7人。下地氏支持はゼロも、8年前の知事選において宮古で9200票以上を獲得した勢力は今でも一定数あることから、下地氏の獲得票を各方面が注目している。
現状の市議会構成は、座喜味一幸市政与党が10人、野党が12人、中立が2人の構図だ。
今回の知事選も7月の参議院選挙と同様に、与党10人のうち保守色の強い3人は「オール沖縄」勢力と対立する佐喜真氏の応援に回っている。
これにより、佐喜真陣営は、中立会派を含めて市議全体の約7割を占める17人の支持を得ている。
参院選で足並みの乱れが露呈した座喜味市政を支える「ワンチームみゃーく」勢力は、選挙ごとに内部の距離感が生まれており、今回も一枚岩の選挙戦とはなっていない。
この構図でみると、保守地盤の宮古において、支持勢力で圧倒する佐喜真氏と従来の革新票を軸に一部保守票を切り崩す玉城陣営との展開になるが、地元出身の下地氏の出馬が、その勢力図を複雑化させている。
8年前の知事選で下地氏は市選挙区において、当選した翁長雄志氏、当時現職だった仲井真弘多氏を上回る最多得票数となった。
政治経験も豊富で、地元出身という強みも持つ下地氏が、現状でどれくらいの支持層を維持しているかは未知数だが、地縁血縁票が重視される土地柄だけに佐喜真、玉城の両陣営ともに獲得票に影響は「ある」との見方だ。
佐喜真支持の市議も内情はそれぞれ異なる。下地氏と近い市議もいれば支持層で下地氏を応援する勢力を多く抱える市議もいる。
ある保守系市議は「下地さんが出馬したことで、かなり難しい選挙になった。どれだけ佐喜真さんで頑張っても、下地さんに流れる票は確実にあるよ。その影響は避けられない」と話した。
玉城陣営からも「8年前の選挙結果からもある程度の影響はあると思うが、今回は前回ほどではないと思う」との見解を示した。
一方の宮古の下地陣営は「現職市議が表面上は別の候補を応援しても、こちらに来る票は確実にある。特に保守層の内部では間違いなく下地支持層は今でも多くあると思うよ」と自信を示した。