玉城デニー氏、再選/県知事選
現県政「継続」の判断/辺野古反対、知事選3勝
【那覇支社】県知事選は11日、投開票が行われ、現職で無所属の玉城デニー氏(62)=立憲民主、共産、れいわ新選組、社民、社大、にぬふぁぶし推薦=が31万9446票(開票率92・55%)を獲得して、再選を果たした。県民は、玉城県政「継続」の判断を下したことになる。米軍普天間飛行場の辺野古移設反対を掲げる勢力は、翁長雄志氏から知事選3連勝となった。
新人で無所属、前宜野湾市長の佐喜真淳氏(58)=自民、公明推薦=は25万1703票(同)を得たが及ばなかった。同じく新人で無所属、前衆議院議員の下地幹郎氏(61)は5万718票(同)を獲得した。
知事選で、玉城氏は1期4年間の実績を強調したほか、コロナ禍などで苦境にある県経済の回復も訴えた。子どもや若者、女性のセーフティーネットにてこ入れを行うことも強調したほか、「明確な争点」として辺野古移設反対を強く訴えて支持を得た。
また、玉城氏は宮古・八重山への陸上自衛隊配備については、「住民合意が図られず、配備ありきで進められる工事は認められない」と主張した。
一方の佐喜真氏は、「経済危機突破」を掲げ、観光産業などに1000億円規模の支援をすると主張。辺野古移設については「米軍普天間飛行場の2030年までの返還を実現するためには容認せざるを得ない」としたが、県民に浸透しきることができなかった。
下地氏は、PFIなど民間活力を生かして、国に頼らない沖縄にするとしたほか、教育費の無償化などを掲げて選挙戦に挑んだ。辺野古移設については鹿児島県の馬毛島を活用することで軟弱地盤の埋め立てを回避し、県民の対立を終わらせるとしたが及ばなかった。
県選挙管理委員会によると、投票率は57・92%で、前回を5・32ポイント下回った。