電子図書整備に1430万円/総務財政委
12月にも貸し出し開始へ/市当局が事業内容を説明
市議会9月定例会は15日から常任3委員会が始まり、総務財政委員会(下地茜委員長)では2022年度一般会計補正予算などを審査した。総務費のうち市電子図書整備事業費として1430万円が補正計上されていることについて、友利克生涯学習部長が電子図書として3000冊を整備し、市民に無料で貸し出すことなどを説明した。今定例会で予算が可決すれば12月ごろには事業がスタートするとの見通しを示した。
予算の8割に当たる1144万円は国が補助し、残る2割が市の負担となる。
市立図書館は新型コロナウイルス感染症の影響で長期間の休館などもあったことから、市民の利便性向上などを考慮し、電子図書の貸し出しを検討。21年度から準備を進め、22年の年明けからは内閣府と調整をしていた。今年7月に交付金が決定したことから今回、補正に計上した。
今年度、電子図書は文学、社会、自然など各分類の一般書2250冊。絵本等を含む児童書750冊を準備する。事業開始となれば市立図書館のホームページから借りることができる。貸出期間は1~2週間で検討している。
貸し出しには市立図書館利用に登録した際のIDやパスワードが必要で、電子書籍の閲覧にはパソコンやタブレット、スマートフォンを利用する。ちなみに現在、市立図書館利用の登録をしている市民は3万人となっている。
メリットとして、休館日や台風などの天候不良時でも24時間本を借りることができることや、既存の紙媒体の本ではICタグの貼り付け、カバー掛け、新型コロナ対策としてアルコールで拭くなどの職員の業務負担が軽減される。また、学校などでも教師が本を借り、授業で使う電子黒板に表示することで小中学校の授業にも活用できる。
委員会で前里光健氏が「島民には無料で貸し出し可能か。また、3000冊はさほど多くはないと思うが今後は増やしていく予定はあるか」と質問。友利部長は「市民は無料で24時間閲覧できる。増冊については1冊当たり4000円程かかるため、新規図書の導入については年度年度で財政と調整していくことになる」と話した。