市10~20代引きこもり 実態把握できずか/市議会一般質問
小中で確認も相談はゼロ/中学卒業後の支援課題に
宮古島市で中学卒業後の10代、20代で家庭に引きこもっている人数について、市では実態が把握できていない可能性があることが26日、市議会9月定例会の池城健氏の一般質問で分かった。小中学校では今年度これまでに12人の引きこもりが確認されているが、10代、20代からの市への相談はゼロ件。仲宗根美佐子福祉部長は中学卒業後の支援が途切れている可能性があるとして、支援の継続が必要との認識を示した。
市教育委員会が今年度4月から8月末までに確認した小中学校での引きこもりの人数は、小学校で4人、中学校で8人となっている。一方、福祉部がこれまでに相談を受けた引きこもり件数は、2020年度が6件、21年度は4件、22年度8月末時点では5件。20年度からの合計相談件数を年代別で見ると、30代と50代が各6件、40代が3件となっていて、10代、20代からの相談は届いていない状況となっている。
同日、一般質問で引きこもり人数について質問した池城氏は「中学の3年間学校に来ず、外にも出ないという子もいる。宮古島市に10代の引きこもりは確実にいる。10代、20代の相談がないということは行政に(その存在が)届いていないのではないか」と指摘した。
仲宗根部長は「確かに10代、20代の引きこもりが現在は把握されていない状況にある。中学校から上がってくる子どもたちへの支援が途切れているのかなという現状は確かにあると思う」との認識を示した。
その上で、「拠点型子どもの居場所事業」という、中学校の頃から引きこもりなどの問題がある子どもたちを把握し、支援していく事業を今年度から実施することを説明。「学校から行政に相談が上がらなかったケースに関しても、こういうところで把握ができ、支援が継続して続けていけるのではないかと考えている」と語った。