11年度予算は21億7400万円/宮古伊良部地区国営かんがい排水事業
前年度比78%の大幅増
内閣府沖縄総合事務局宮古伊良部農業水利事業所(江間敏介所長)が進める国営かんがい排水事業(第2次地下ダム事業)の2011年度当初予算は前年度の12億2000万円と比べ9億5400万円(78・2%)増の21億7400万円となった。厳しい財政の中で、概算要求通り満額認められた。ただ、同予算は東日本大震災の関係で今後、5%減額される可能性がある。11年度末までの総事業費(523億円)ベースの進ちょく率は、9・5%に達する。事業完了は、20年度を予定している。
宮古伊良部地区国営かんがい排水事業では地下ダム2カ所(仲原、保良)や伊良部向けの水を自然流下させる宮古吐水槽(野原岳に建設予定)、牧山ファームポンド(伊良部島)、用水路55㌔などを整備する。
地下ダム建設は昨年、城辺仲原で止水壁工事(延長126㍍)が始まり本格化。今年度は315㍍を発注する。仲原の止水壁計画延長は2350㍍で、今年度末までの進ちょく率は18・8%。保良ダムは、仲原の完了後着手する。
用水路は、計画延長16・1㌔の伊良部導水路工事が09年から始まり、10年度までに4・4㌔を敷設した。今年度は1・4㌔を発注する。同工事では伊良部大橋主航路部の0・417㌔も取り付けられる。
第2次事業で開発した水は、7割を宮古本島、3割を伊良部に供給する計画。第2次では水源を優先開発し、この水を宮古本島で早く使えるようにする事業方針を示している。
新たに建設する仲原ダム(有効貯水量920万㌧)、保良ダム(同160万㌧)と、既存の砂川(同680万㌧)、福里(同760万㌧)、皆福(同40万㌧)を合わせた総有効貯水量は2560万㌧となり、現在の1・7倍に増える。
第1次地下ダム事業は、干ばつ期の6~9月に対応できる設計だが、第2次では、この不足分を充足しサトウキビや野菜、果樹ハウス、牧草地などに1年中使える水量を確保する。
受益面積は宮古7805㌶、伊良部1351㌶の計9156㌶となっている。